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『調査』するのは大変ですね・・・ [その他法律の話]

 このブログのPC版のトップページにも書いていますが・・・
 行政書士の取扱業務は結構広いんですよね。

 ただし、法律上「取り扱うことが出来る」とされている業務が、実際に依頼が来るかどうかは別問題(>_<)
 そこが大変なんやで~(^_^;)
 この不景気、みなさん経費削減のため、自分で出来る手続は自分でやろうとしますから(T_T)
 このへんは繰り返し書いてるグチですな(^_^;)

 で、仕事を選んでいられない代書屋稼業(^_^;)私の場合、あくまでもメインは許認可業務なのですが、可能な業務は何でもやっとります(^。^)y-.。o○
 コネクションをフル稼働して(^_^;)
  
 そんな中で・・・
 知り合いの司法書士からお話があったのが、ある不動産業者さんが所有している物件に「放ったらかし」にされている自動車について・・・
 その不動産業者さんというのは、私が宅建業免許の手続もやらせてもらっている業者さんなのですが、法的な手続を取るしても、その相手が誰なのか分からないことにはどうにもならないわけで・・・
 その所有者・使用者を調べる方法はないか?ということで・・・

 ナンバー=登録番号は分かってるんだけど、そこから調べられないか?ってことです。
 以前は、出来たんですよね「誰でも」。

 現在も土地や建物の登記事項証明書=登記簿謄本は『何人も』、所有者や当該物件に利害関係がない人でも、誰でも所定の手数料を納付すれば申請・取得することが可能です。

 自動車もナンバー・「登録番号」が分かれば『登録事項等証明書』の取得が出来た、らしいのですが・・・

 車両の登録業務というのは、行政書士の代表的な業務の一つなのですが、私自身、完全な「ペーパー・ドライバー」(^_^;)全く乗らないから『ゴールド免許』(^_^;)正直、そんなに得意な分野ではございませんm(__)m

 少なくとも、そういう依頼は受けたことがなかったんですね。

 しかし、個人情報保護法が施行された昨今、とにかく、文字通りの「個人情報の保護」がかなり厳格になってきています。
 個人情報保護法が施行されたのが平成17年4月。
 で、その後を追うように個人情報に類する証明書類の取得手続が厳格になっていったのですが、平成19年11月から、自動車の登録事項等証明書についても交付請求方法が変更になりました。
 
 以前の「誰でも取れる」って制度を利用し、自動車窃盗や恐喝等の犯罪に悪用する事例が増えた、というのが理由のようです。
 窓口での「本人確認」、何のために必要か申請書への請求理由の明示。
 それ以上に原則として、請求の際、申請書にカー・ナンバー=自動車登録番号だけでなく「車台番号の下7桁」の記載が必要になりました。
 車検証を見るか、ボンネットを開けてみないと普通は分からんって(^_^;)

 ずっと以前、日本でも探偵業に届出が必要になったという話題を書いたことがあったのですが・・(http://daisyoya-yossy.blog.so-net.ne.jp/2007-05-21
 ナンバーから証明書取って所有者調べるのって、以前は「探偵さん」良くやってたらしいのですが・・・、あ、あくまでも「風聞」・噂ですがね(^_^;)
 「探偵さん」、「合法的に」仕事しにくくなったんだろうな・・・・

 ただし「原則として」と書いたように、「例外」もあります。

 「私有地における放置車両の所有者・使用者を確認する場合」です。
 「裁判手続の書類として登録事項等証明書が必要不可欠な場合」も「自動車登録番号」の明示で請求することが可能です。
 ただ、当然のことながら、そのこと・請求の理由を証明する書類を別途添付したうえで、ってことですが・・・

 今回はまさに「私有地の放置車両」です。
 当該車両の放置状況が判る図面、車両の写真及び放置日数等を記載した書面を提出し、放置車両の状況を確認し請求理由に妥当性が認められれば、「自動車登録番号」のみの記載でも可、だと。

 偉そうに書いてますが、今回の相談を受けてから調べたんです、恥かしながら(^_^;)
 
 その旨、連絡したトコロ、その方向で行くことになりそうです。
 
 車、持ってないクセに、今年は結構、陸運局・運輸支局に行ったな、仕事で(^_^;)

 ってまだ、正式に依頼を受けたわけではないのですがね・・・(^_^;)


 
  

「権利書」ってヤツは・・・ [その他法律の話]

 先週末に実家の相続登記の手続を終えた、という話ですが・・・

 地元の登記所=地方法務局の出張所に行ってきました。
houmukyoku.JPG
 登記が完了して「名義が変わった」ということを証明する書類を受領してきたわけですが、それと一緒に、相続登記に使った各種の証明書類も返却してもらえるよう手続をとっていたので、それも受け取ってきました。
 所定の様式の『相続関係説明図』を作成して添付すれば、戸籍関係は返却してもらえます。
 それから「遺産分割協議書」「『法定相続人=分割協議者』の印鑑証明書」「相続人の住所証明書」については、コピーを付けて、そこに申請者の「原本に相違ありません」という文言とハンコ(※登記申請書に押印したモノと同一のモノ)を押印しておけば、登記完了後にこれらの書類の原本も返却してもらえます。『原本還付』と呼ばれる手続です。
 
 で、先日もチョッと書いた「登記完了証」と
kannryousyou.JPG
 「登記識別情報」
sikibetujouhou.JPG
 これらを一纏めにして、母親と弟に渡しました。
 で、「登記識別情報」について一応説明して、そのラベルの下に記載されている12桁の番号が重要なので、「絶対にラベルは剥がすな」と伝えておきました。
 sikibetujouhou2.JPG
 これで手続が一応完了したことを伝えると、弟は保管してた「古い権利書」は処分してしまって良いのか?と
 正確に再現すると「古い訳の判んない書類」って言ってたけど(^_^;)

 一応、年末に確認して整理しよう、と言っておきましたが(^_^;)

 普通の人から見たら、ホント「訳の判んない書類」でしょうな(^_^;)
 
 今回も相続手続を始めるに当たって参考にしようと思ったのだけど、殆どが「訳判んない」ヤツでした(^_^;)

 いわゆる「権利書」「権利証」、正式な呼名としては「登記済証」については、このブログを始めたばかりの頃にも取り上げたことがあったのですが・・・(http://daisyoya-yossy.blog.so-net.ne.jp/2007-06-08

 大昔の「地券」のイメージからなのでしょうか、「『権利書』の上に『権利』が乗っている」、「権利書を持っていること」=「権利を持っている」、みたいな認識をされる方が結構いらっしゃるようですが、これはチョッと違います。

 旧来の「登記済証」と言う名称のとおり、あくまで「登記がされていることの証明」。
 と言うよりは、「登記されているAさん、という方、本人に間違いが無いことの証明」とでも言いましょうか・・・
 さらに、踏み込んで言うなら、「その同一性を確認する手間を省くための証明」と言えるかも知れません。

 事実、登記済証を紛失・毀損してしまった場合の手続もありましたし、登記識別情報に変わった現在でも同様の手続はあります。
 ただ、時間も手間もかかりますから、関係者は嫌がりますよ(>_<)
 司法書士に依頼した場合も手続報酬は高くつくでしょうね(^_^;)

 実際、従来の所有権移転登記や抵当権設定登記の申請には、所有者の「登記済証」を付けて申請しなければなりませんでした。
 で、登記が完了すると、前の「登記済証」には「抵当権設定」「所有権移転」といった、印が押されて帰ってきました。
 所有権が移転した場合、新たな所有者に対して、また新たな「登記済証」が発行され、前の「登記済証」は、いわば「紙切れ同然」(^_^;)
 業界用語で、「空の権利書」の略でしょうか「カラケン」なんて呼ばれてました。
 
 ただし、前の「登記済証」が複数の不動産についての「権利証」に当たるもので、「所有権が移転した」旨の印判が押されていても「カラになってない」ケースがあったりするので要注意。
 その逆に、何回かに分けて持分を取得したことで、結果当該不動産を単独で所有することになったとか、「登記済証」が1通では足りないケースもあったりして(^_^;)

 その登記済証が「カラ」なのか「生きている」のか、その手続には、その「登記済証」だけで足りるのか?

 その当たりを判断するには、それなりに知識と経験が必要だったわけです。
 
 それに昔~しの登記済証って手書きで、それも作成した方が「個性的な文字」を書く方で(^_^;)
 そっちの意味でも判読が難しいケースもありました(^_^;)

 ただし・・・

 前述のとおり、現行の不動産登記では「登記済証」ではなく「登記識別情報」に変わってしまい、私も行政書士になってからは不動産登記実務には携わっていないので、現状は良く分かりません(^_^;)

 相続手続も遺産分割協議書の作成、相続証明書類の収集・作成まではしますが、登記申請は以前の勤め先関係の司法書士の方に依頼しますので・・・

 生半可なことは書けませんわ(^_^;)

 過去の経験に基づいて、少しばかりウンチクを垂れてみたわけです(^_^;)

 昔とった何とやらで、自分の実家の登記は無事終わりましたが(^_^;)

 そもそも相続登記では、「現在の登記名義人」の「登記済証」、現行法では「登記識別情報」の問題って生じませんから(^_^;)

 前述のとおり、権利の移転の登記に際しては、現在の登記名義人が、別の人に権利を移転する意思を有するということを証するために旧来の「登記済証」、現行制度での「登記識別情報」の必要性があるわけですが、相続登記の場合、登記申請の時点では「現在の登記名義人」は、この世の方ではないわけですから(T_T)
 「登記済証」「登記識別情報」で、その同一性を確認、と言うのは念頭に置かれていないようです。

 疲れてるせいで、何か脈絡のない文章ですが(^_^;)
 もう少し、ウンチク垂れさせていただきたいm(__)m

 次回へつづく
 

「相談」にのってはみましたが・・・完結編(^_^;)~「法律の話、してるんだよね?」 [その他法律の話]

 不定期に(笑)続けてきました「相談」シリーズ(?)誰も覚えてないかも知れないけど(-_-;)終わり、というか一区切りにしようかと(^_^;)

 都庁の建設業出向相談員の業務中、先輩の相談員の行政書士の方に
 「あまり相談者に感情移入し過ぎない方がいいですよ」
 と忠告されたことがありました。

 「建設業の許可を取りたい」と相談に来ているのですが、残念ながら、現状では許可要件を満たしていない、満たしていることを書類で証明できない・・・

 何とかしてあげたい、とは思いますが、そこはハッキリと言わなければならないわけですね(>_<)

 残念ながら、自分の思い通りにならないと、責任転嫁をする、そういう人がいるのは事実。

 「大丈夫、って言ったじゃないか」
 「お前のせいだ!」って。

 通常では考えられない方向に、その矛先が向くこともあるんですよね・・・

 私は、幸い、まだ「矛先を向けられた」ことはないのですが(^_^;)
 周りには・・・いるんだな(^_^;)

 親身になって相談に乗ってたのが災いして(?)
 「あんたが大丈夫、って言ったから、信じてたのに」って具合に。

 私の感覚では信じられないけど(^_^;)

 仕事上では、一定のボーダーラインを引いておかないといけない、ってのは事実ですね。

 さて、やっと本題です(^_^;)

 こういう仕事をしていると、友人・知人、親戚からも「相談」されること、結構あります。

 「ボーダーライン」が引きにくい状況ですわな(^_^;)

 相続手続の話、事業を起こす場合の手続の話、このあたりは、まあ普通に対応できるかな(^_^;)
 
 日常生活での法律上のトラブル、さて、こうなると・・・

 某ドラマの影響かな?

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 一刀両断、悪どいヤツをやっつける方法をご披露せねばならない(^_^;)
 以前書いたネタ、「魔法」のように問題を解決!って
 現実は甘くないぞ。(^_^;)

法律上、何らかの主張をするならば、原則、それは主張する側からしなければならない。

刑事・民事・親告罪云々、詳細を書き出すと、また長くなりますので^_^;
 そう言うものだと思っていただいた方が・・・

概ね受けるトラブルの相談って、確かに話を聞くと、まあ、それも相談する側の主観的なモノなので、「理」はこちら側にあって、相手方が非道なように思えるのですが、果して、それが「法律上」主張出来るものか、ってのが問題。
 さらに、それを主張するに足る「証拠」があるのか?って話しです(-_-;)
 前のブログネタとも関わってきますが・・・

 私なんかは「仕事モード」の時は、「人はうそつき」と言う前提で(嫌な言葉ですが^_^;)、「事実を証明できるモノ」を残すようにしてます。
 ただ・・・「言霊の国・日本」では(笑)、日常生活で「トラブル」を前提にすることを嫌います。
 「縁起でもない」ってヤツね(^_^;)
 特に親しい人との間で、そんなことをしたら・・・
 
 契約書も「誠意をもって」で片付けちゃうお国柄だし(-_-;)

 でも、「♪あたりまえ~♪」だと思ってたことが、そうでなくなったときに、「トラブル」って起こるものですからね。
 
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 友人・知人からの法律上のトラブルについての相談、その殆どが、こちら側が優位に立てるような証拠がない、ってパターンなんだな(T_T)
 こちらとしても何とかしてあげたいんだけど、仮に、内容証明を送ったとしても、相手に開き直られたり、反訴されたら・・・
 で、その事実を説明して
 「裁判までやるきある?」
 「それなら(簡裁代理権のある)司法書士か、弁護士、紹介するよ」
 と言うと・・・

 大体が
 「そこまでは・・・」
 ってなってしまうんですよね(^_^;)

 「泣き寝入り、するしかないってことですかね?」
 以前、相談を受けた音楽仲間から、言われたときは哀しかった(T_T)
 彼の場合、もう「好青年」(と言うには、もうトオがたってるか^_^;)という感じのキャラクターで、相手方の方が「確信犯」的な感じがしたので、ホント気の毒だったんだけど(-_-;)

 で、こう「引き際が良い」のは、むしろ例外(^_^;)

 前半の許可の相談に際してもそうなんだけど、人って、自分の主張・特に論理的な部分での主張が通らない、破綻する、となると「感情論」に行くんですな、これが(>_<)

 延々と「グチ」を聞かせられることになります(-_-;)
 「グチ」は、まだマシな方、「逆ギレ」・激昂型も結構います(^_^;)

 友人の中でも、まぁ、います「激昂型」も(-_-;)

 ある程度、なら聴きますけど、友人だから(^_^;)
 でも、さすがに耐えかねて(^_^;)
 外出先で、携帯で話してたこともあって(^_^;)
 で、出たセリフが、タイトル後半の
 「法律の話、してるんだよね?」というヤツ(^_^;)

 友人としてのグチなら、ナンボでも聞きまっさ。それで満足、気が晴れるなら。
 でも、今、何について話してるの?

 みんな、ホントは信じたいのよね、「正義は勝つ」って
 
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 でも現実には・・・
 
 で、言ったよ
 「友人としては、応援したいけど、仮にも法律に関わる人間として、相談しているのなら、「難しい」としか言えない。軽はずみなことは言えない」って。

 さらに、年寄り臭い例えだけど(^_^;)
 「裁く側の人間が、みんな『大岡越前』なわけじゃないんだから」、と(^_^;)

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 しかもその「人情裁き」のエピソードは「史実」じゃないし(^_^;)

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 そのトラブルは・・・
 彼が望んだカタチではないながらも決着はついたようで・・・

 幸い、彼とは未だ親交があります(^_^;)
 その後も何度か一緒に呑んでるし、ウチにもお邪魔してるし、父の葬儀にも来てくれたし。

 何か、長いうえに取りとめのない内容になってしまいました(^_^;)

 そう言えば、生前、土地がらみの話しで、父に相談、というか、酒の席での話、だったけど、意に沿わない回答をして「逆ギレ」されたことがあったな(^_^;)、とか思い出して、こんな内容になりました。

 その際も、「例え」で「世の中、『大岡裁き』とはいかないよ」って話しをした気がする(^_^;)
 結構、使えるか、この例え(^_^;)一定の年齢以上じゃないとダメかもしれないけど・・・

「家族」として、そして「代書屋」として・・・ [その他法律の話]

 最近、とにかく、何か「やること」を見つけて、考え込まないよう、心掛けているのですが・・・

 油断すると、「負の部分」に陥ってしまいそうに、って暗い話しは止めよう(^_^;) 

 当分の間、週末には実家に戻る、という生活が続くのですが・・・

 家業も、葬儀の「施主」という役割も弟に押し付けた、いけない長男(^_^;)ですが、「やるべきこと」も結構あるわけです。

 法人になっている家業の「役員変更」登記の手続、そして、それに伴う建設業許可の「変更届」。
 そして、土地・建物の「相続登記」。
 「代書屋」としての仕事が・・・

 ちなみに・・・

 「役員変更」の「議事録の作成」は行政書士でもできますが、「変更登記の申請」手続の代理は司法書士でないと出来ません。
 同じく「相続」の「遺産分割協議書」「相続証明書」の「作成」は出来ますが、「相続登記の申請」手続の代理は司法書士でないとNG。

 私は司法書士事務所の勤務経験が長かったんで、「業務」じゃなくて「長男の務め」としてやります。
 事実、今までも実家の登記は、印紙代も私が自腹切ってやってたんで(T_T)
 一度、不動産登記で印紙代が20万超えるときは、さすがに勘弁してもらったけど(^_^;)

 さんざん、スネを齧った身としては何とも(^_^;)

 そちらの方面から、サポートしていくことが、亡くなった父の願いでもあったわけですから・・・

 取りあえず、今日、会社の変更手続の書類は作成しました。

 不動産の方については・・・
 近日中に会計士さんを交えて相談する予定。
 
 まぁ、私は権利を主張しない、ってのが生前の父との約束ですから(^_^;)
 
 これについては、レポート・・・するかどうかは未定(^_^;)

 既に、学費の援助、開業資金
の融資・援助を受けた長男の私は『特別受益者』。
 自宅建築の際に援助を受けている妹・長女も『特別受益者』
 
 早くから、家業を手伝い、その会社の取締役でもある、次男・弟には『寄与分』があって・・・
 同様に、長く取締役として、公私にわたって父をサポートしてきた母にも『寄与分』あり。

 旦那が同業者で、少なからず仕事上の付き合いがある次女の方の妹が『特別受益者』となり得るか・・・

 ウチの場合、相続の実例としては、かなり興味深い案件なんだけど(^_^;)

 あまり、身内のことをネタにするのも何だしなぁ・・・
 

「『定款の写し』を貰いに来た?」それ、ここじゃ貰えないと思う・・・(^_^;) [その他法律の話]

 今朝ほど、事務所近くの登記所=法務局の出張所に行って帰るトコロで聞こえてきた会話。

 その方、職員の方に「総務」の場所を尋ねてて、曰く

 「『定款の写し』を取りに来たんだけど、窓口の人に『ここ(の担当?)じゃない』と言われた」と。

 職員の方が説明したと思うんだけど・・・

 それ、登記所=法務局の出張所では取得出来ないです。

 多分、登記簿謄本=登記事項証明書の受付窓口で「ここじゃない」と言われたんだと思いますが・・・

 今、証明書の交付業務は職員の直接担当じゃなくて、民間に委託してるから、説明が不十分だったのかも知れない・・・(^_^;)

 『定款』と言うのは、株式会社等の「法人」の根本規則を定めたもの。
 法人を設立する際には、「認証」を受けたうえで、それを添付して設立登記の申請をします。

 ここ最近で色々と改正があって、NPO=特定非営利活動法人や事業協同組合などのように「主務官庁」での認証手続(数ヶ月かかる場合が殆ど)を受けるパターンは少なくなりました。

 普通の「会社」、現在は株式会社(有限会社の新規設立は改正で出来なくなりましたから)になりますが、管轄法務局所属の公証人の方がいる「公証役場」で認証を受けることになります。

 その内容が法的に問題ないかチェックして、「お墨付き」を貰って、それを他の必要書類と一緒に添付して法人の設立登記の申請をするわけです。

 新規設立の際は定款の認証が終わってからでないと、資本金の入金もできません(法的効力がない)。
 現在の『会社法』では、資本金の払い込みの証明は通帳の写しで可ですが、その日付が、定款認証の日付より『前』だとNGってことです。
 あと、改正前の『商法』の頃は、出資については金融機関の保管金証明書が必要だったのですが、これも定款の認証後でないと貰えませんでした。

 この設立時の最初の定款、『原始定款』と呼ばれるものですが、これは「原本」は認証後、一定期間公証役場に保管されることになり、認証の際、必要な部数の「謄本」を公証役場で交付してもらいます。
 その「謄本」を登記申請書に添付したり、金融機関等に提出したりするわけで、後、当然、会社にも保管することになります。

 原始定款の認証に際して、公証人に支払う費用が約10万円ほど。
 交付してもらう謄本の通数によって増減が出てきますし、うち4万円は定款の原本に貼付する収入印紙代です。

 で、この定款を「紙」ではなく「電子認証」にすると、「紙媒体」じゃないから「印紙税法」の適用外となって、この4万円が浮きます。

 ただ、電子認証が出来るように電子証明や必要なソフトを購入すると最低でも5、6万円かかるので、お一人でいくつも会社を設立される方でない限り「費用倒れ」になってしまいます。
 
 でしたら、我々、「代書屋」にお任せ下さい、ってことです(^_^;)
 何度か書いてますが、定款の電子認証は結構やってますんで(^_^;)
 以上、営業をしてみました(^_^;)

 ご注意いただきたいのは・・・
 通常の「紙」の定款なら、認証の場で、誤字・脱字等のミスや、規定・文言が法的に問題があって改めなければならない場合、その場でハンコで「訂正」することが可能ですが、「電子認証」ではそうは行きません。

 つまり、「紙」の定款なら、ハンコ又は訂正用の「捨印」を押印しておいていただければ
 「時間がないから、今から(今すぐ)認証」ってのも可能なのですが、電子認証の場合は、前もって、定款の原案をメールないしはFAXで公証役場に送っておいて、問題なし、となった段階で電子申請、という方法を取らざるを得ないのです。

 話が「電子認証」の方に行ってしまいましたが・・・

 通常は設立登記が完了した後、『原始定款』の謄本は会社に保管されているはずで、「原本」は公証役場に。
 で、設立登記の申請書に添付した「謄本」も登記所=法務局にあるはず・・・

 なのですが、そもそも登記の申請書類のコピーを交付するって手続き自体が存在しません(^_^;)
 「『何人(なんびと)』でも閲覧できる」のは登記簿なんだけど、これもコンピュータ化されてるから(>_<)

 申請書の閲覧は別の手続が必要だし、場合によっては管轄の法務局ではなく、『本局』、東京都だと九段下の東京法務局まで行かなくてはならなくなります。

 で、「閲覧」して書き写す、と。
 コピーは取らしてもらえません。
 ただ、写真はOKのようで、私、司法書士事務所に入りたての頃、デッカいレンズの付いた一眼レフカメラ持たされて行ってきましたよ(^_^;)

 それと問題点がもう一つ。

 何度も『原始定款』って言い方をしてますが・・・
 最初に作成した定款が、そのまま「生きてる」ってケースはむしろ少ないのではないでしょうか? 

 定款の記載事項に変更を生じたら、変更の手続が必要です。
 で、その変更が登記事項だとしたら・・・
 総会決議などで定款の変更決議を経ないと変更の登記が出来ません。

 で、変更の登記をしたら、『原始定款』は現在有効な定款ではなくなります。
 内容が変わってるんだから。
 ちなみに、定款を変更したからと言って、再度公証人の認証を受ける必要はありません。

 本来なら、ここで、定款を「作り直す」必要があるのですが、登記申請に必要なのは変更決議の議事録だけなので・・・
 ま、皆まで言わすな(^_^;)
  
 ここから先が私が仕事で直面するケース。

 許認可の申請では「現在有効な定款の写し」を添付しなければならないケースが結構あります。
 「会社の目的」に、許認可を取得しようとする業務について記載されているか、についてチェックするってのが代表的なパターンかな。

 通常の「会社の目的」の記載例だと、幾つかの事業を列記したうえで
 「前各号に附帯する一切の業務」
 って締めるパターンが多いのですが、よく、許認可を取ろうとする業務は「『この附帯する一切の業務』に含まれるんじゃないの?」という質問をお客様にされるのですが、これはもう
 「ケース・バイ・ケース」としか言いようがありません(>_<)

 同じ許認可でも、都道府県によって扱いが違ったりする(^_^;)
 
 建設会社が、現場で出た産業廃棄物を処理場へ運ぶために産廃の収集運搬業の許可を取ろうとした場合で、定款の事業目的を追加する変更登記が必要かどうか、これマジで都道府県によって違いました。
 「『附帯する業務に含まれるから目的変更登記は不要です」というトコロと
 「いや、定款の目的に必ず入れてください」というトコロがありました。

 目的変更の登記って、法務局に納める印紙代だけで3万円かかるから(T_T)出来れば避けたいトコロですよね?(^_^;)

 ただ、殆どの許認可の場合、事業目的に許可を取ろうとする業務が具体的に記載されていないとNGです。

 なので、原始定款の作成から関わるお客様にはその旨、説明してます。

 「定款に記載した業務を、全部具体的にやらなきゃならない、って規定はないので、将来的に行おうと考えてる業務は、この際、全部入れちゃいましょう」って(^_^;)

 話があちこち飛んで申し訳ないm(__)m

 設立時の『原始定款』から内容が変わってて、変更の登記もしてるみたいだけど、会社には、その定款の「現物」がない。
 で、許認可がらみで役所からなのか、金融機関からなのか
 「『現在有効な定款』』を提出して下さい」
 と言われた。
 さぁ、どうしよう(-_-;)

 答えは簡単、「作れば良い」(^。^)y-.。o○
 あ、くれぐれも、誤解しないで下さい(^_^;)

 原始定款の内容と、今までの変更の内容を踏まえた上で、法に則った定款文書を作成し、そこに
 「上記は当会社の定款に相違ありません」と言う文言と日付、本店・商号・代表者名を記載した上で、会社代表印=会社の実印を押せば、それが『現在有効な定款』です。
 
 ただ、「相違ありません」といった上で会社の実印を押してるんだから、虚偽の記載があれば、当然その責任は問われます。
 不実記載、処罰の対象です。

 実際、「現在有効な定款」の現物がない、というので、許認可申請に際して、前記の形式で定款を作成するケースは良くあります。
 場合によっては、私自身、申請書を閲覧したりして調べた上で。
 ただ、最終的な責任はお客様に取っていただくしかないのも、これ現実。

 それに登記・許認可に関わらなくても、定款の変更がある度に、キチンと記録を取られている会社さんも多くいます。

 一応、仕事で関わったお客様には、事情を説明して、必ず文書に残すようにお願いしているのですが・・・

 話があちこち飛びまくって申し訳ないm(__)m

 いざという時、バタバタしないように、折を見て、こういった会社の記録は整理された方が良いと思いますよ。

 「備えあれば憂いなし」ってヤツです(^_^;) 
 

 



 
 

名前と言えば・・・~氏名の変更~ [その他法律の話]

 名前ネタ、もういっちょ(^_^;)
 
 『痛い名前』を命名する親が結構いるって話ですが・・・
 子供にとっては大変なんだぞ(^_^;) 
4.29-3.JPG
 こう言ってるじゃない(^_^;)
 画像の元ネタは確か2ちゃんねるかな?問題あるようならすぐ削除しますm(__)m
 
 氏名の変更には家庭裁判所の許可が必要です。
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_02_7.html

 これは戸籍上の、ある意味『公式な』氏名の変更について。
 『通称名』とはまた別です。

 注意が必要なのは、下の『名』ではなく、『氏』の変更。
 これは更に面倒です。
 離婚・離縁に伴う『旧姓に復する』ケース、逆に離婚・離縁後も婚姻中・縁組中の姓を称するための手続、それ以外の『氏の変更』というのは認めらるのは難しいようです。
 
 『名前』の変更も、それほど簡単ではないのですが・・・
 
 一応、『痛~い名前』を親から付けられても(^_^;)変更する方法はあることはある、ということですね。
 ただし、申立ができるのは15歳以上からですが・・・

 戸籍法第107条の2
 『正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない』
 戸籍に記載された名前を変更するには、家庭裁判所の許可を得た後で、その審判書謄本等を付けて、本籍地又は住所地の市町村役場に変更の届出をしなければならないのです。

 この『正当な理由』、これは単なる個人的な趣味や感情、信仰上の問題、などだけでは足りない、とされています。
 それこそ、『姓名判断の結果、変えた方が良いから・・・』などではダメ、と言われる可能性の方が高い、と(^_^;)
 名の変更をしないと、その方の社会生活において支障を来すようなレベルでないと難しい、と。
 性別を間違えられやすいとか、婚姻等によって親族と同姓同名になってしまった、とか、珍名・奇名を含む書きづらくまた難読の場合、精神的苦痛を伴うレベル(^_^;)のもの・・・
 このあたりで認められた事例があるようです。

 これに対して、『氏の変更』の方は・・・
 戸籍法第107条第1項『やむを得ない事由によって氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない』 
 申立が出来る人が限定されているうえ、その理由も『やむを得ない』をレベルアップされています(>_<)
 『氏の変更をしないとその人の社会生活において著しい支障を来す場合』
 『正当な事由』ぐらいじゃ足りない、と(^_^;)
 
 『当人にとって社会生活上氏を変更しなければならない真に止むを得ない事情があると共にその事情が社会的客観的にみても是認せられるものでなければならない場合をいうもの』
 とされています(大阪高裁判決S30.10.15)

 これは何かと批判の多い『戸籍制度』の問題との絡みもあるのでしょうね。
 
 少々長くなりますが、さらに同判決を引用します。前述の文章の前の部分です
 
 『人の氏はその人の血族姻族関係のつながりを示すを常とし、またその名と相まってその人と他とを識別するものとして我が国民の社会生活上極めて重要なもので、新憲法並びに民法の改正によって家の制度が廃止され、氏が家を示す名称でなくなったけれども、唯その本人のためのみのものではなく、同時に社会のためのものであるから軽々にその変更を許すべきでないことは当然である。しかしそうだからと言って~』
 
 ここから、前述の『当人にとって~』に続くわけです。一部仮名遣い等は直してありますが・・・

 50年以上前の相当古い判例という点を差引いても、『右向き』(^_^;)な私から見ても、首をかしげたくなりますが・・・

 『お上』の見解は、これから殆ど変わっておりません(^_^;)

 結局、本籍地と氏で一つの家族を登録し、管理する戸籍法・戸籍制度からすると、安易に氏そのものを変えられると、その同一性の識別が難しくなるから、でしょうね。 
 何が何でも、絶対に戸籍制度を残したい国と法務省。
 このラインは崩さないでしょう(^_^;)

 実は、だいぶ前、知人を介して、『変な名字だから変えたいんだけど方法はないのかな?』
 という相談を受けて、調べたことがありまして・・・
 結局、家庭裁判所の許可が必要、というと『そこまでしてまでは・・・』
 ってことで、断念されたのですが・・・

 判例とか調べてみると、どうしても『戸籍制度ありき』ってのが見え見え、と感じてしまうんですよね・・・

 『司法権の独立』?そんなモン、信じてません(^_^;) 
 お給料が出るトコロの意向に逆らえるわけないじゃん(^_^;) 

 何か、話がずれてきたかも知れません(^_^;)
 この辺の話は、また別の機会にm(__)m
 
知っていますか?戸籍と差別一問一答 (知っていますか?一問一答シリーズ)

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相談員日誌~番外編・今日は区役所で相談員~ [その他法律の話]

 3月というと、通常はそこそこ忙しかったりする。
 役所の『年度末』。
 企業等の法人でも3月決算を採っているトコロは多いので、『年度内に片付けたい』という案件があったり・・・

 ただ、やはり地震の影響で『延期』というのも出てきたりしています。

 そんな中。

 今日の午後は、大田区役所で『相談員』をしてきました。

 月に一度、基本的には第四木曜日の午後(一時~四時)。
 東京都行政書士会大田支部による『無料相談会』。
 一応、相談員には『交通費』は支給されますが・・・

 定番ですが、二人一組で、支部会員には順番に回ってきます。
 二年に一度、くらいのペースかな?

 はじめて、相談員の当番になったときは、許認可の実務経験も殆どない状態で不安だったのですが・・・

 実際、『許認可』に関する相談、というのは殆どありません。

 多いのは、やはり相続・遺言に関するもの。
 これはとりあえず、対応できる範囲でしたので(^_^;)

 その他も、相隣関係=隣近所との境界線に関するトラブル等、どちらかというと『相争モノ』。
 本来の行政書士の業務の範囲からは外れるモノが多いかも知れません。

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 残念ながら、ドラマとは違います(^_^;)
 特に、『ひまわりのバッジ』がバーゲン状態の東京では(^_^;)

 ただし、自己弁護ではありませんが、この無料相談は意味があると思っています。

 普通~の方、ことに『ネット』とかが使える環境にない層の方たちの中には、いざ、何らかのトラブルが起こったときに、『どこに相談すれば良いか?』ということ自体が分からない、という方も結構いらっしゃるからです。
 とりあえず、役所、しかないか(^_^;)

 失礼ながら、会社を経営をされているような方の中にも『行政書士』と『司法書士』の区別が付かない方も結構いらっしゃいますから(^_^;)(司法書士の方の中には『ご立腹』される方もいらっしゃるかもしれませんが・・・)

 以前にも、(しかも何度も)このブログで書いたことですが、私は、行政書士のポジションは、『士(サムライ)業』と法律の世界を。医療関係者・医学の世界に例えれば『町医者』のポジションだと思っています。

 取りあえず、具合が悪いから診てもらって、手に負えないようなら『大っきな病院』を紹介すれば良いわけですから。専門病院ないしは総合病院を。

 この話は、今日、ご一緒した行政書士の方との世間話の中でも出まして、何となく、同意していただけた感じでした(^_^;)

 ここでやっちゃいけないのは、『儲けるため』だけに、むやみと『処方箋』を書くようなことだと個人的には思います。
 つまり、効果が見込めない『内容証明』を何枚も書くよりは、訴訟代理が出来る(簡裁代理権の資格がある)司法書士か弁護士に相談した方が良いケースも多い、と(^_^;)
 ちなみに、司法書士は研修&考査(難易度高いようです)をクリアした方しか簡裁業務は認められないのでご注意を。

 相談者のお話を伺って
 『それは、○×○×に相談した方が良いですよ』
 と言うアドバイスができるだけで、存在意義はあると思うのですが・・・
 
 2年前に当番だった時は、外国人の方の相談や、(日本人からの)入管手続の相談が結構あったので、やはり、こう言うケース増えているのかな、と。

 万が一のために、今回は最近購入した(在留手続等に関する)書籍など持参したのですが・・・

 やはり、この大地震直後、原発の状況も不安なこの状況・・・
 外国人の方はおろか、相談者自体が、あまりいない、と(T_T)

 区役所も節電で、照明暗いし、エスカレータも停止してるし、ってな哀しい状況(T_T)
 何とか相談者数のワースト記録更新だけは避けたい、と願っていましたが・・・(^_^;)

 タイ記録達成、となってしまいました(^_^;)

 区報や区のHPにも相談会の情報は掲載されているのですが・・・
 
 この状況です。
 皆さん、外出自体を控えられているでしょうから(^_^;)

 半分予想はしてましたが、正直、少々ショック。
 気合、空回りでした(>_<)

 
 
 
 

『ハンコ』の話~終章~(笑) [その他法律の話]

 何回かに分けて書いてきた『ハンコ』の話、勝手ながら、とりあえず、今回で一段落を付けたいと思いますm(__)m

 サインでも、いわゆる『三文判』による押印でも、間違いなく本人が、内容に納得してしたモノならば、法的な効力は発生するのですが、後々『不毛な論議』(^_^;)をしないで済むように、印鑑登録した『実印』を押印し、印鑑証明書も付ける、というのが、現状では一番確実な方法とされているので、利用されている、と言うのが概略なのですが・・・

 『じゃぁ、どんな場合に『実印』&『印鑑証明書』でなければならないか?』
 これは、『商売のネタだから』とお茶を濁しましたが(^_^;)
 ホント、ケースバイ・ケースなんですよね・・・

 原則、そのことによって、権利を失う、何らかの責任が生じる、不利益が生じる、こう言った場合は、まず必要となります。

 不動産売買などの『売主さん』。
 これは不動産登記では必ず『実印&印鑑証明書』が必要。

 じゃあ『買主』は『実印』じゃなくてもいいの?
 そのとおりです。

 『でも、住宅ローンを組んだとき、書類には実印を押させられたし、印鑑証明書も提出させられたよ』
 という方、いらっしゃると思います。
 
 この場合は購入したご自宅、マンションなどに、その組んだローンの担保として『抵当権』が設定されるからです。
 万が一の場合には、担保に取られた物件の権利を失う可能性がある『不利益が生じる』ケースなので、抵当権設定には、設定者=物件の所有者の実印&印鑑証明書が必要。
 ハンコを分けるの面倒なので、『買主』であっても、一緒に書類には『実印』を押させられるわけです。

 『現金とっぱらい』(^_^;)なら、『買主』は認印でも良いわけですが、このご時勢、中々いないでしょう(^_^;)

 会社などの『法人』の場合は、いわゆる『会社代表印』、登記所(あえて『法務局』とかいわないよ^_^;)に届出ている『会社の実印』を使うケースがほとんどでしょう。
 これも、『買主』だから、『三文判でいいはずだろ』とかムダにゴネても、メリットはないと思いますよ(^_^;)

 建設業許可をはじめとする許認可の申請も、原則、押すのは『実印』。
 申請書に書いてあることが『事実に間違いありません』と保証する『責任』があるわけですから。
 虚偽記載があって、それがおおやけになった場合、許可は取れませんし、その後5年間は許可が取れないことになりますから。

 それから、会社登記で提出する『議事録』に押すハンコ。

 基本、代表取締役(通常は『社長』さんですね)が『会社代表印』を押せば、他の出席した取締役・役員の方は『認印』で構わないことになっています。
 だから、これを悪用したトラブルも結構あるわけですね。勝手に『出席したことに』して、勝手に『三文判』を押しちゃうヤツ。

 ただ、所定のケース、例えば役員変更で『代表取締役』が入れ替わるケース。その『代取』だった方が、言葉は悪いですが『ヒラの取締役』(^_^;)としても会社に残らない、といったケース。この場合は出席取締役は全員、実印を押印し、印鑑証明書の提出が必要になったりします。
 『社長解任』なんてケースね(^_^;)

 他には・・・書ききれないし、やっぱ『企業秘密』なので自粛(^_^;)

 いや、結構面倒ですよ(^_^;)
 『ハンコ社会』は。

 

『ハンコ』の話~『割印』と『契印』~ [その他法律の話]

 本当は『こっち』なのに、違うものをそうだと思い込んでいる、というか、そっちの方が一般的になっているもの、って結構あります。

 何度か、このブログでもネタにしてますが、登記事務を扱う役所、『登記所』、これは正式には『法務局又は地方法務局』、それかその『支局又は出張所』が取り扱っていて、『登記所』なる『役所』は存在しないことになるのですが・・・

 実際はバス停の名前なんかも『登記所前』と『法務局前』が混在しているんですよね。

 一時のPolice Boxが『派出所』と『交番』が混在していたように。
 現在では『交番』がメジャーというか、正式採用?
 じゃぁ、最多巻数を誇る、例の国民的(?)漫画のタイトルは?

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 まぁ、そんなのどうでもいいか(笑)
 正式な呼び方ってのもどうでも(^_^;)
 例によって、長い前フリです(^_^;)

 なまじ、『知識』をひけらかすと、混乱することもありますから・・・

 一般的に『住民票』と言われる役所から発行される証明書。

 正式には、これは『住民票の写し』。

 『住民票』自体は役所で保管されているモノですから・・・

 でも、以前、お客様に、「『住民票の写し』持ってきて」と言ったら、証明書の『コピー』を持ってこられたことがあって(^_^;)、それ以来、仕事上での『知ったかぶり』は控えるようにしました(^_^;)

 やっと本題・・・・

 記名・押印が必要な書類で、それが複数にわたる(何枚か、何ページかになる)場合、綴じ込んだ、その文書が『同一』であることを証するため、その『繋ぎ目』にハンコを押す必要が出てくることがあります。
 皆さんも経験があおありの方がいらっしゃるのでは?

 その場合、私なんかも以前は『割印をして下さい』と言ってましたが、正式な『割印』はこちら
割印.JPG
 書類の『原本』と『控え』があるような場合に、それが『同じもの』であることを証するためのモノが『割印』
 この写真のモノは、私が業務上、お客様に郵送で書類を郵送する場合に付ける『書類送付状』。
 お客様に送ったモノの他に事務所保存用も印刷して、『同一性』の証明のために『割印』してます。
 トラブル防止のためね。

 私が、行政書士登録をするまで、『割印』と思っていたのは、正式には『契印』
契印.JPG
 これは、枚数が多い場合、前部の『繋ぎ目』に押すと大変なので、『袋とじ』して、その繋ぎ目に押印した例です。
 法的にはこれでOK(笑)

 これも・・・

 紛らわしいので、お客様には『割印してください』と説明するケースが殆どですが・・・

 さて、これを踏まえたうえで、次回、『外国文書・私署証書認証』手続の際の『バタバタ』について書きたいと思います。


『ハンコ』の話~その2・何で『ハンコ』を押すの?~ [その他法律の話]

 以前にも書いたことがありますが・・・・
 そもそも、民法で規定している大原則は『法律行為は当事者の意思表示により成立する』

 『あれ、売ってよ(もしくは頂戴よ)』
 『いいよぉ』[指でOK](今話題の『スリムクラブ』真栄田氏がかつて演ってた『フランチェン風に^_^;)

 はい、これで売買契約(もしくは贈与契約)は成立!(^^)!

 の、はずです。

 人間がみんな『善人』ばかりなら(^_^;)

 結局、『言った、言わない』の世界に。

 じゃぁ、『文書』にしよう(『契約書』ね)
 まぁ、その記載の仕方も色々問題があるわけで(^_^;)、ある意味我々の『メシの種』(^_^;)
 特に、日本独特の何かあった時は『誠意をもって』って条項は、外国じゃ意味がないわけで(^_^;)
 だから、外国の契約書は『分厚く』なるわけです。
 私の得意技、日本独特の『言霊』思想。
 その『ダーク・サイド』・悪しき面(>_<)
 本来トラブルを防ぐための契約書に、必要最低限以外のトラブルが起こることを想定して書てつくっちゃダメ、ってヤツ(>_<)

 脱線は、これくらいに(^_^;)

 契約書を作りました、内容に問題もありません。

 『そんな内容認めてない』

 じゃぁ、認めた、ってことの証明に名前を書いて下さい。

 『それは、俺が書いたんじゃない』

 『ハンコ』を押してもらったとしても・・・

 『それは、俺のハンコじゃない』
 『いや、俺は押してない!』

 え~い、ラチがあかねぇぞぉ~!

 単純なモノの売り買いから、複雑なモノまで・・・

 一見、そうは見えなくても私たちの日常は『契約』・『意思表示』で成り立っているわけです。

 お店で、品物をレジカウンターに持っていけば、これは『売買契約』の『申込』の意思表示。契約成立。

 お金を支払って、品物を受取る。
 はい、双方が『契約を履行』(^_^;)

 居酒屋や普通の飲食店で、飲み食いして、後でお会計、これは本来『同時に履行』しなければならないモノを当事者の合意で履行期をずらしたもの。
 食券を購入するお店も同様に、履行期をずらして『前払い』。
 中々、頼んだ料理が来ないと民法541条に基づいて『履行遅滞による解除権』を行使するぞ、なんて(^_^;)

 脱線しました(^_^;)
 それと、すいません、これ『元ネタ』があります。
 学生時代に読んだこれ(^_^;)
 
これだけ!!宅建・基本書〈平成20年版〉

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  • 作者: 中野 元
  • 出版社/メーカー: ナカノ総合出版
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本


 宅建主任者受験用としてだけでなく、民法の入門書としても結構面白いです。

 さて、軌道修正。

 『契約』の度に、冒頭のような不毛なやり取りが繰り返され、裁判をしなければならないようでは生活がなりたちません。

 ことに、不動産や動産でも車両や高価な機械器具の売買、高額の借入れ(特に担保設定を伴うようなもの)、場合によっては人生おかしくなります。

 一定の線引きをしなければなりません。

 『契約の内容』そのものが真正か、どうか、これはもう、裁判するしかない、と(^_^;)

 ただ、『契約が成立したのかどうか』『意思表示がされたのかどうか』=『成立の真正』については、民事訴訟法第228条で
 『私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する』で規定しています。
 
 でも、そうなるとまた、『本当に本人の署名・ハンコか?』『本当に本人が納得して押したのか?』という論議になってしまいますので、判例で
 『印影が本人の印章による場合には本人の意思に基づいて押印されたものであると推定され』
 『契約の締結も本人の意思に基づいてなされたものと推定される』
 としています。
 『本人の印章』かどうか、それは自治体に『印鑑登録』されている『印章』=『実印』ならば、『本人の印章』だろう、と。

 それでも『そうじゃない』と言い張るなら、そう言う、お前が、契約の存在を否定する押印された印章の所有者の側が、『そうじゃない』(捏造されたものだ)という証拠を持って来い!
 少々乱暴な言い方ですが、要はそういうことです(^_^;)

 ちなみに、民事訴訟法では、『当事者又はその代理人が故意又は重大な過失により真実に反して文書の真正を争そったとき』は、過料に処される、と規定しています。
 当然、『敗訴』した場合は、裁判費用は全額負担(>_<)その上、『過料』です(T_T)
 
 また『故意』(知っててやった)場合だけでなく『重大な過失』も処罰対象です。
 これについて書き出すと・・・長くなるので割愛します。

 とにかく『実印』の管理は気をつけてね。

 契約の際だけでなく、一定事項の届出、又は、私の本業の方、『許認可』でも、『実印』を押印し、かつ同時に『印鑑証明書』の提出を求められるケースは多々あります。
 また、不動産登記の場合も同様に。
 会社などの『法人』の場合は登記所(法務局)に届け出ている『会社代表印』、いわゆる『会社の実印』と登記所が発行する(会社の)印鑑証明書を提出することになります。これは当然『契約』の場合も同様です。

 それは、もちろん、提出先の『お役所』が、書類に押された『印影』と印鑑証明書の『印影』とを照合して同一かどうかチェックするためです。

 この場合も前述のとおり、『実印が押してあったら、本人が納得して押したと推定』されます。

 『そうじゃない』と主張するには・・・もう分かりますよね?(^_^;)

 『実印』と『印鑑証明書』を信じて、行為した側は保護され、その責任は軽減される、と私は我流で解釈してます(^_^;)

 逆に、『実印』を持ちだされ、勝手に契約されちゃった人、ロクに契約内容を確認せずに『実印』を押しちゃった人。
 同情の余地はあるものの、可哀そうですが、一定の責任を負わされてしまうわけです。

 『基本的人権』と違って、『私権』は無制限に保護されるものではないのです。
 
 『権利の上に眠る者は保護されない』
 
 ということ。

 それに民法第1条第3項『権利ノ濫用ハ之ヲ許サス』
 
 一応、法律の話らしい『シメ』になったかな?(^_^;)

 つーか、まだ本題に辿りついてないんだな(T_T)

 本来書きたいのは、『認証』に絡んでの『割印』と『契印』の話題。
 
 一応、予告編として(^_^;)

 何回目で辿り付けるかは分かりませんが(^_^;)

 演奏以外にブログネタでも、オイラ、時々『迷子』になるから(>_<)






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